CDI  Tr Point
Home | Up | Next


  •  点火方式の分類 
     
    自己誘導方式:ポイント、フルトラ/セミトラ
    コンデンサー放電方式:CDI
    に大別されます

    2V-BOXERのオリジナルの点火方式は、フルトラ・同時点火方式です。

     
  •  ポイント、フルトラとCDI  値はいずれも代表値
     
    点火
    方式
    印加
    電圧
    電流 センサー 原理 1次側 パルス幅 Hz 2次側電圧
    ポイント 12V-DC 3A〜4A ポイント 自己誘導 数100V 1mSec 300 10kV〜30kV
    フルトラ 12V-DC 3A〜5A ホール
    素子
    自己誘導 数100V 1mSec 300 10kV〜30kV
    CDI 0V 0A ホール
    素子
    コンデンサー
    からの放電
    数100V 
    MC-3:450V
    0.1~0.2
    mSec
     
    3,000 10kV〜30kV
    MC-3:45kV

    Hz:減衰振動波形の周波数
    MC-3:MSD・MC-3 +MSDコイル

     

  •  ポイント点火

     バッテリーから+12Vが常時、イグニッション・コイルに供給されており、ポイントが開いた時に自己誘導で高い電圧(数100Vが一次側)が発生する。 これ の1次側電圧が相互誘導で2次側に15kV程度の電圧を発生する コンデンサーはポイントが開いた時のアーク放電の吸収用

     カムでポイントを開閉する為、電気的な時間で見れば、低回転ではポイントの開く速度はゆっくりとなり、点火パルスの立ち上がりは滑らかなスロープ状となり、結果的に弱い火花となります
     また、高回転になると、ポイントが閉じてる時間が短くなるので、電流が充分に立ち上がらない状態でポイントが開くことになり、発生する電圧は低くなります。 
     
     カム山を急峻にすると機械的な摩耗が激しく、また、カムの1回転に占めるカム山の角度は低回転でも、高回転でも同じだからです
     
     ポイント「閉」での電流印加時間を「ドエル」と言います。 ポイント式ではカム山のプロファイル、ポイントギャップで調整する為、「ドエル・アングル」と呼ばれます。 フルトラ点火方式では電子回路で制御されるのでクランク、カム角度には無関係に制御できるので、「ドエル・タイム」と呼ばれるのが一般的です。

     
  •  外部抵抗付イグニッションコイル方式・ポイント点火

     高回転域でも高い電圧を得る為、1次巻線数を少なくして、電流を増やした「外部抵抗付イグニッションコイル」もあります。 コイルの抵抗値:1.5Ω程度、外部抵抗:1.5Ω程度、総計:3Ω程度 これは電流が増えると立ち上がりのスロープが急峻になるので、結果的に高い電圧を得られます この抵抗はエンジン始動時にはバイパスされます(抵抗の両端で短絡されます)

     ア−ク放電は「0」では無いので、定期的にポイントの面のアーク放電の跡をヤスリで処理する必要があります。

     
  •  フルトラ点火

    ポイントをホール素子等の半導体に置き換えて、無接点としたもの、ポイントのON/OFF動作はトランジスタ回路で行う コイルに印加できる電圧はトランジスタの容量(能力)に依存  ポイント式に比べて、高回転でも高い電圧を得られます
     フルトラでは急峻にOFFにできます。更には、OFF-->ON(ポイント点火ではカム山に相当)を制御できるので、高回転域ではOFF時間を短くして、コイルに印加する電流を充分に取った回路もあります 
    「ドエル・コントール」と呼ばれています

     
  •  セミトラ点火

    ポイント点火の車両に後付けでトランジスタ点火装置を追加したものです。 ホール素子の替わりにポイントを使用するものです。 ポイントには電流はほとんど流れず、OFFの制御信号をもらうだけなので、コンタクト面の消耗もありません 
     また、フルトラ点火と同じく、OFF時間の制御機能を搭載したモデルもあるそうです(正確にはあった)

     
  •  ドエルコントロール式・フルトラ点火、 ドエルコントロール式・セミトラ点火

    大層な名前ですが、外部抵抗付イグニッション・コイルの機能をフルトラ/セミトラ点火で実現した回路です。「ドエル」とはポイントがONでコイルに電流が印加されている時間です。 1次側の抵抗値の低いコイルを使用するのは同じですが、外部抵抗は無く、 エンジン回転数が低い領域での電流制御を電子回路で実施します。
     低回転では、点火終了後、コイルに電流を加える時間を短くして、電流を抑制、コイルの加熱を防ぎます。 「ドエルタイム・コントロール」とも呼ばれます
     具体的には、点火終了後、「0V」の時間があり、その後、「+12V」を印加します。 
     
  •  イグニッション・コイルの加熱

    「外部抵抗付イグニッションコイル」、ドエルコントロール式・フルトラ点火、 ドエルコントロール式・セミトラ点火、セミトラ 点火、フルトラ点火 、ポイント点火では、低回転域を使っている場合には、+12Vが印加されている時間が長いので、コイルが過熱する場合があります。 走行風が当たる場所にマウントされている場合が多いです(R100/R80ではタンクの右前下) 

     
  •  CDI点火

     ポイント点火、セミトラ/フルトラはコイルの自己誘導を使って、一次側に高い電圧を発生させていますが、CDIはバッテリーに接続されたコンデンサーに貯められた高電圧をイグニッション・コイルに印加して、相互誘導により、2次側に15kVの電圧を発生させます。 
     イグニッション・コイルの目的が全く異なります CDI点火では直流重畳特性、磁気飽和の問題は発生しません(別ページ参照)

     CDIでは高い電圧を発生できます。これは回転域にかかわらず、コンデンサーとその充電回路の能力によります、イグニッション・コイルの抵抗、巻き数は無関係です。 しかしながら、コンデンサーに蓄えられる電力エネルギーは小さいので、狭いパルス幅となりますし、抵抗値が高いと充分に高い電圧となりませんから、コイルの1次側の抵抗値は1Ω以下が推奨されます
     
     高回転域での高い電圧は利点ですが、狭いパルス幅を補う為に低回転域(3.000rpm以下、回転角で35-degぐらい)の間に複数回のスパークをする回路(マルチ・スパーク)を搭載している機器があります。
     また、狭いパルス幅を補う為に、点火プラグのギャップを広く取って、放電部を「長く」して、着火性能の向上を図るのが一般的な設定です。 

    CDI点火の場合には、イグニッション・ ケーブルとして、にコアに細い線を巻いた様な製品を使用するのは、全く無意味です。
     
     スパークのパルス幅:約0.3mSec(3kHz)
     
  •  rpm、Hz、mSecの関係

    Hz * 60 = rpm    rpm/60 = Hz     1/Hz = Sec   
     
    回転数(rpm) 周波数(Hz) 時間(Sec)
    1,200 20Hz 50mSec
    3,000 50Hz 20mSec    
    6,000 100Hz 10mSec      
    9,000 150Hz 6.67mSec
    12,000 200Hz 5mSec
    .
    60,000 1,000Hz 1mSec
    180,000 3,000Hz 0.333mSec

Home | Up | Next

                                    This Home Page is create by Microsoft FrontPage 2000
                     Authorized by wanawana Update at 2011/08/30