Waveform
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  •  波形



    注意:
    波形はいずれも模式図です、実際の波形はもっと複雑です。 CDI方式の波形は単純化しています。
    実際に測定する場合には、イグニッション・コイルの2次側波形はクランプ型のセンサー、あるいは電線を数回巻いたセンサーにより、イグニッション・コードから測定しますが、充分な耐圧を持ったプローブで測定する必要があります。 

    注意:
    図は2V-BOXER(1トリガ素子・カム軸ピックアップ、ワステ点火:2気筒に同時に火花を飛ばす)を基準に作成しています。 国産・並列・4気筒で、2トリガ素子・クランク軸ピックアップ・2コイル、ワステ点火タイプもこの点火間隔(360-deg)となります。 1コイル・1出力の場合には、720-deg(クランク2回転)が点火間隔になるので、点火間隔の時間の図の「2倍」の数値となります
     
  •  電圧の印加(1)

    ポイント式:ポイント-開
    フルトラ・セミトラ式:トランジスタ-OPEN
    CDI方式:コンデンサー接続



    点火プラグに高圧が印加されるが、最初は放電していないので、電流は流れない

    2次側電圧: ポイント、フルトラ・セミトラ 10kV〜30kV、CDI:30kV〜45kV


     
  •  アーク放電の開始(2)

    点火プラグのギャップ(0.5mm〜1.0mm)の空間で火花が飛び始める 不安定なアーク放電
    微小電流が流れ始めるので、電圧が2/3程度に急峻に低下する

     
  •  安定したグロー放電の開始(3)

    点火プラグのギャップの太い空間が絶縁破壊され、安定したグロー放電を維持する
    電流はさらに増え、かつ、安定した電流となる。

    おおよそ、3kV程度  ポイント、フルトラ/セミトラ、CDIでの違いは無い  


     
  •  グロー放電の終了(4)

    ポイント式、フルトラ・セミトラ式:自己誘導の作用が弱まった時
    CDI式:コンデンサーに充電された電荷の放電が終了した時    

    ポイント式、フルトラ/セミトラでは自己誘導の働きが弱くなり、印加されている電圧が急峻に低下して、グロー放電が終了します。終了時の挙動は点火方式により大きく異なります



     
  •  放電期間

    (3)−(4)
    安定したグロー放電でのみ、混合気に着火できます。 グロー放電の期間を放電期間と呼びます

    ポイント式、フルトラ・セミトラ式:約1mSec  
    CDI式:0.1mSec〜0.2msec

     
  •  ???期間

    (4)−(5)

    グロー放電が終了してから、ポイント:閉、あるいはトランジスタ;ONまでの期間
    イグニッション・コイルの2次側には片側に+12Vが印加されていますが、ポイント:開、トランジスタ:OPENなので、GNDに接続されておらず、1次側巻線には電流は流れていません
    2次側は各種の誘導により不安定な電圧が現れます 通常は(−)の数100V程度の電圧で現れます

     
  •  ドエル期間ー開始(5)

    ポイント:閉、フルトラ・セミトラ:トランジスタ・ON になって、イグニッション・コイルの片側がGNDに接続され、電流が流れ、コイルが励磁されます。 コイルの自己誘導により、突入時には減衰振動波形が合わられます  
    励磁電流:3〜4A  電圧:一次コイルの片側:+12V-DC

    CDI方式では、この機能はありませんから、安定したGND電位しか現れません。

     
  •  ドエル期間-終了 = 電圧の印加(6)

    再び、ポイント:閉、フルトラ・セミトラ:OPENとなって、点火プラグに高電圧が印加されます。

    CDI式には存在しません。 I

     
  •  ポイント点火での減衰振動波形について

    ポイント点火ではポイントでのアーク放電の吸収の為、コンデンサが搭載さています。 イグニッション・コイルはインダクタなので、 
    電圧の印加(1)、放電の終了(4)、ドエル期間ー開始(6)には大きな減衰振動波形が一次側、に現れます。
    また、放電の終了(4)時には2次側にも表れます

    CDI式には存在しません。 

     
  •  フルトラ・セミトラ式の減衰振動波形について

    トランジスタ:ON時には出力のトランジスタの保護コンデンサーとイグニッション・コイルにより、一次側には減衰振動波形が現れます

    CDI式には存在しません。 

     
  •  ドエル制御





     
  •  ドエル・アングル・コントロール

    ドエル期間ー開始(6)の時間を制御することにより、低回転域で、過剰な電流をコイルに供給しない回路
    本質的には、外部抵抗付・イグニッション・コイルにより高回転での電流を増大させておき、ドエル・アングル・コントロール回路で、低回転の電流を適正にします。 フルトラ・セミトラ方式でしか実現できません

    低回転:ドエル開始時間(角)は遅いので、放電終了の波形から、かなり後に、一次側には、減衰振動波形が現れます。 高回転となるとこの減衰振動波形が放電終了の波形に近いづきます

    CDI式には存在しません。 

     
  •  ドエル・電流・コントルール

    ドエルアングルでは無く、電流をモニターしておき、設定した電流になると電流を制限するものです。
    本質的には、外部抵抗付・イグニッション・コイルにより高回転での電流を増大させておき、ドエル・電流・ル・コントロール回路で、低回転の電流を適正にします。 フルトラ・セミトラ方式でしか実現できません

    CDI式には存在しません。 

     
  •  2V-BOXERの点火方式とドエル制御

    R100R/R100GS、R100/R80・モノサスは、ホール素子トリガ・ユニットによるフル・トランジスタ点火、機械式ガバナによる進角制御です。
    さて、搭載されているイグニッション・制御ユニットには、ドエル・アングル・コントール、あるいは、ドエル・電流・コントロールは実装されているのでしょうか?
    BMW純正のイグニッション・コイルの1次側抵抗値は、1.1Ω(R100GS)、1.3Ω(R100/R80・モノサス)です。 この抵抗値からは実装されていると推測されます。

     今後の調査の予定はありません。私の車両は純正のトリガ・ユニット、イグニッション・制御ユニットを使用していますが、MSD/MC-3、MSDコイルに交換している ので、この機能の実装の有無は調査の必要を感じていない為です。
     

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