Coil
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Ignition Coil

  •  イグニッション・コイルと点火
     
  •  イグニッション・コイルの種類
     
    分類方法   用途 得失
    磁路 開磁路 汎用 長所:
    ・直流重畳特性が良い(磁気飽和が起こり難い)
    ・巻き線の空間に制限は無いので、
     2次巻き線の線径を太くできる
    ・2次巻き線が比較的太いので、
      温度上昇による劣化、断線に耐性が高い

    短所:
    ・閉磁路に比べて、磁界の漏れが多いので、
     磁力が弱い、磁気効率が悪い
    ・同じ2次電圧を得るには、閉磁路に比べて
     巻き数を多くする必要がある
    閉磁路 CDI用 長所:
    磁界の漏れが少ないので、磁力が強い、効率が良い
    2次側の巻き数を少なくできる

    短所:
    ・直流重畳特性が悪い(磁気飽和が起こり易い)
    ・コイルを巻く空間が狭いので、2次側の巻き線
     の線径が細くなる
    ・温度上昇による劣化、断線への耐性が低い
    出力数 シングル . 絶縁材の節約、小型化の為、
    1次巻線と2次巻線の片側を接続
    ダブル . 2つの出力をもつ 
    2気筒でワステ点火の場合にはデスビが不要
    1次側抵抗 5Ω以上 ポイント用 CDIには不適 
    外部抵抗付コイルの場合には1Ω〜5Ω程度
    1Ω〜5Ω フルトラ用 CDIには不適
    1Ω以下 CDI用 ポイント、フルトラには不適

     

  •  開磁路・イグニッション・コイルの構造

    ダイナ、Accel等の開磁路のコイルでは、「I」状の鉄芯に、2次側、1次側の巻線が巻かれています。 相互に絶縁されており、極性はありません 巻線は樹脂で固められており、分解はできませ
    ん。

     

     
  •  閉磁路・イグニッション・コイルの構造

    ウオタニ SP-IIなどの閉磁路のコイルでは、「日」、あるいは、「口」状の鉄芯に、2次側、1次側の巻線が巻かれています。 相互に絶縁されており、極性はありません 巻線は樹脂で固められており、分解はできません。 



     
  •    鉄性ブラケット、鉄ネジの奨め

    上図・左側のDYNAコイルのマウント・ブラケットを作成する場合には、「鉄」で作成しましょう。
    ブラケット、フレームへの取り付けには、ステンレス・スチールネジの使用はやめましょう。
    鉄性ブラケット、フレーム直付けでは、開磁路のコイルを「閉磁路」にして、効率アップが期待できます。
     アルミ製ブラケット、ステンレス・スチール製のネジでは磁路が形成されず、意味がありません

     
  •  BMW純正コイル
     
    R100/R80モノサス純正のイグニッション・コイルの構造は未調査です。 車両購入後、即、取り外したので不明 (BOSCHの4輪用コイルの流用なので、形状から判断すると、閉磁路タイプ )

     
  •  一般的なイグニッション・コイルの構造 1次巻線と2次巻線の片側を接続

    1次側と2次側の巻線は片方が接続されており、そちら側をバッテリーに接続します。 つまり、極性があり、1次側の配線は色別されています。 
    バッテリー(+12V) :(1次と2次の接続側):1次巻線:ポイント(GND)
    2次側は1口だけで、イグニッション・コードに接続されます

    コイルは同心状に巻かれており、外周部から、1次のポイント側:1次のバッテリー側:1次/2次の接続:2次の高圧側:中心部の鉄芯とすることにより、絶縁材料を薄くすることができ、ひいては放熱機能を向上できるからです。

    例:単気筒用コイル、独立点火用コイル

      (バッテリー)    (点火ケーブル・点火プラグ)
        |         |
        a                                      b
    1次巻線  2次巻線
        c                                       d
        |
      (ポイント)
        |

       (GND)

    . . ポイント・閉 ポイント・回
    1次巻線 a  +12V  +12V
    b  0V  +300V
    2次巻線 c
    d  0V  -29700V

     

  •  ダイナ・コイルなど、同時点火、2口のコイルの構造 1次巻線と2次巻線は独立

    1つのコイルでイグニッション・コードを2本接続できるコイルでは、1次巻線と2次巻線は接続されておらず、2次巻線の両端には高圧(10kV〜45kV)が出力されます

    同時点火用コイル:並列4気筒、バーチカル・ツイン、90-deg・ツイン、Boxer



     
  •  ポイント、フルトラとCDIの電圧値、パルス幅  値はいずれも代表値
     
    点火
    方式
    印加
    電圧
    電流 センサー 原理 1次側 パルス幅 Hz 2次側電圧
    ポイント 12V-DC 3A〜4A ポイント 自己誘導 数100V 1mSec 300 10kV〜30kV
    フルトラ 12V-DC 3A〜5A ホール
    素子
    自己誘導 数100V 1mSec 300 10kV〜30kV
    CDI 0V 0A ホール
    素子
    コンデンサー
    からの放電
    数100V 
    MC-3:450V
    0.1~0.2
    mSec
     
    3,000 10kV〜30kV
    MC-3:45kV

    Hz:減衰振動波形の周波数
    MC-3:MSD・MC-3 +MSDコイル

     

  •  イグニッション・コイルの線径、巻き数  値はいずれも代表値
     
      線径 巻き数
    1次側 Φ0.5mm〜Φ1.0mm 150〜300
    2次側 Φ0.05mm〜Φ0.1mm 15,000〜30,000

      

  •  直流重畳特性

    インダクタにDC電流成分が印加されると、磁気飽和を起こして、インダクタンス成分が減る
    現象、B-H曲線で表される。 インダクンスの低下が始まる値を直流バイアス電流値と呼ぶ。 
    磁気飽和を起こさない様にする場合には、開磁路にしたり、鉄芯、コアにギャップを設ける 
    磁気飽和が発生すると、2次側出力は設計値から大幅に低下する

     
  •  レアショート

    コイルの巻き線、特に2次側巻き線は密にエナメル線が何層にも巻かれています。 
    各層の間には絶縁シートが挿入され、絶縁が確保されています。 DC電流成分の印加により巻き線が温度上昇すると、温度上昇と抵抗値低下がスパイラル状に進み、一部の巻き線間、あるいは、層間で絶縁が破れ、ショートします。 一般的には電圧差がある層間でのショートが多いです。 ショートすると、そこの抵抗値は極低くなるので、更に高温となり、断線します。

     
  •  イグニッション・コイルの故障モード

    温度上昇による2次側巻き線の断線、レアショート が最も多い。
    GUZZI(すみません、該当するモデル、年式は知りません)、BMW等で「棚落ち」と 呼ばれているの故障です。エンジンが停止した状態ではポイント方式、セミトラ、フルトラでは、常にコイルに+12Vが印加されてますので、加熱して、断線します。 
     2V-Boxerで、ある年代以降のイグニッション・制御ユニットでは、イグニッション・ON、エンジン停止状態が一定時間以上(3秒程度)続くと、イグニッション制御ユニットがコイルへの出力をOFFにする機能が搭載されています。(どのP/Nからか? どのモデルからかは未調査)  
     しかしながら、その機能が正常で無い場合もあるので、エンジンを停止してから、車両から離れる、燃料コックをOFFにする習慣を付けておきましょう

     
  •  2本サスのBOSCH製イグニッション・コイル

    6Vコイルが直列接続されてます。 このBOSCHコイルは2次側出力は1口であり、1次側巻線/2次側巻線の片端は互いに接続さているため、2つのコイル を直列接続して、2次巻線を2口にしています
    (4輪でも使われているので、4輪の販売サイトでも取扱いがあると思われます)

     オリジナルは、ポイント、デスビ時代4輪用コイルです。 4輪用のコイルでは1次側と2次側の巻き線は片方で接続されています。片端は+12Vなので、絶縁が容易になります。中心のコア(鉄芯)近くの2次巻線だけが高圧(10kV〜)になるからです。コイルはモールドさ れた後、円筒内にはオイルが充填されているそうです。
    古いBMW、FIAT用として、代替えで12V のコイルとかもあります。 同 一形状で2口もあります。

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