Theory
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- 油圧データ : 油温別 回転数 vs
油圧 データ です。
R100R R100RS の油圧データ
- R100R Mystic
測定条件:
(1) 測定車両 : R100R Mystic 1996
(2) 使用オイル : SUNOCO REDFOX 15W-50 1,500km走行後
(3) 油温
: オイルパンのドレンプラグで測定
(4) 油圧
: 純正の油圧センサー部にて測定
(5) 油量 : 3.5L
(6) 外気温度 : 15℃
(7) 改造箇所
: シリンダー/Siebenrock、ヘッド/軽改造、キャブ/FCR41
(kg/cm2)
rpm |
120℃ |
100℃ |
90℃ |
80℃ |
45℃ |
1,100 rpm |
2.4 |
3.0 |
3.5 |
5.0 |
6.0 |
2,000 rpm |
2.7 |
5.0 |
5.0 |
5.0 |
6.5 |
3,000 rpm |
3.0 |
5.5 |
6.0 |
6.5 |
7.0 |
4,000 rpm |
3.5 |
6.5 |
6.5 |
7.0 |
7.5 |
5,000 rpm |
4.0 |
6.7 |
6.7 |
8.0 |
8.0 |
SUNOCO REDFOX :エステル・ベースのオート−バイ用エンジンオイル
日本サン石油株式会社製造:http://www.sunoco.co.jp/
- R100RS モノサス
測定条件:
(1) 測定車両 : R100RS モノサス ????
(2) 使用オイル : XTREME
走行距離:5,000km
(3) 油温 : オイルパンのドレンプラグで測定
(4) 油圧 :
純正の油圧センサー部にて測定
(5) 油量 : 2.5L
(6) 外気温度 : 15℃
(7) 改造箇所 : ヘッド/軽改造、キャブ/TM40
(8) 補足 : この測定条件では、オイルクーラーへはオイル循環なし
(kg/cm2)
rpm |
75℃ |
50℃ |
1,000 rpm |
3.0 |
5.2 |
2,000 rpm |
5.5 |
6.2 |
3,000 rpm |
6.0 |
6.8 |
4,000 rpm |
6.6 |
7.5 |
5,000 rpm |
7.0 |
8.0 |
- 油圧は使用しているオイルの状態(走行距離、品質)により、左右されます。
特に高温時には、走行距離が長い場合、品質が悪いオイルの場合には、油圧が低下することを
考慮する必要があります。 新鮮なオイルで、3.0kg/cm*2 at
1,000rpmの油圧があったとしても、走行距離、使用条件(アイドリングでの長時間放置などエンジン・オイルに対して厳しい条件での使用)によっては、油圧が低下するという意味です。
一般的には、エンジン潤滑の為には、2.0kg/cm*2の油圧は最低限必要と言われています。
- 油圧データ : 80℃で再起動後の油圧
油温:80℃にて、エンジンを再起動した場合の油圧の変化 再起動後、2分程度は、3000rpm以下で暖気するのが良いと思います。
R100R Mystic
rpm |
2分以内 |
2分以後 |
1,500rpm |
8.0 |
5.0 |
2,500 rpm |
9.5 |
5.5 |
- 油圧データ : 温度変化の所要時間
外気温 |
開始オイル温度 |
終了オイル温度 |
時間(分) |
オイルクーラー |
回転数 |
15℃ |
15℃ |
80℃ |
20 |
全遮蔽 |
< 2000 rpm |
35℃ |
90℃ |
120℃ |
40 |
全開放 |
渋滞 |
- 油圧計、ネジ、油温計
使用したのは大森計器の機械式油圧計ですが、大森計器さんは無いので、入手不可能です。
大森計器の配管はPT/18の斜めネジです。(油圧センサーは、通常は、PT1/8の斜めネジです) 純正の油圧センサーの取り付けは M12xP1.5
平行ネジです。 従って、変換アダプターを使用して取り付けます。
(Active 油温計センサーアダプター TYPE-D P/N:1080401
¥500-)
標準の油圧センサーを取り外す為には、24mmのディープソケットが必要です。
アダプタの取り付けには、17mmのデープソケットを使用します。
R100R:油温計 ヨシムラ・マルチメーター、標準の油温計:オイルパン・ドレンボルト真上
R100RS:油温計 ドレンボルトに設置
- 定常走行での油温
油温は、以下の様な感じです。 いずれも、5分以上とかで、温度が安定した時のデータです。
実際の走行では、これらの範囲で温度が上下します。
- 冬季:外気温:5℃ R100R Mystic
オイルクーラー:完全カバー オイル:SUNOCO REDFOX
15W-50 エステル 3.5L
回転数 |
ギヤ |
油温 |
3000rpm |
5 |
80℃ |
4000rpm |
5 |
90℃ |
5000rpm |
5 |
100℃ |
- 春季:外気温:20℃ R100R Mystic
オイルクーラー:カバー無し オイル:MOTUL 300V Comp
15W-50 エステル 3.5L
回転数 |
ギヤ |
油温 |
3000rpm |
5 |
75℃ |
4000rpm |
5 |
80℃ |
5000rpm |
5 |
100℃ |
5500rpm |
5 |
115℃ |
- 夏季:外気温:30℃ R100R Mystic
オイルクーラー:カバー無し オイル:SUNOCO REDFOX
15W-50 エステル 3.5L
回転数 |
ギヤ |
油温 |
3000rpm |
5 |
---℃ |
4000rpm |
5 |
---℃ |
5000rpm |
5 |
---℃ |
5500rpm |
5 |
---℃ |
- 油圧データ :まとめ
1 |
油圧は、2000rpm以上では上昇する。 |
2 |
油温:80℃以下では、3000rpm以上では、9.5kg/cm2以上となる。 |
3 |
油温:80℃〜85℃の場合でも、停止-->再始動の場合には、始動後、2分ぐらいの間では、油圧は高いままであり、4000rpm以上では、9.5kg/cm2 を越えてしまう。 |
4 |
R100GS系では、オイルクーラーにはサーモスタッドが無いので、オイルクーラーの破裂の可能性がある |
5 |
夏は、20W-60、冬は、15W-50あたりで、冬は、オイルクーラー・カバーを使用するのが良い |
6 |
オイル交換までの全走行距離において、最低油圧:2kg/cm2 最高油圧:8kg/cm2(at
<80℃)を満たすオイルの使用する。 |
7 |
停止状態での暖気:30℃ぐらいまで、走行状態での暖気:80℃以上、の実施が望ましい。 |
8 |
油圧の変化が大きいのは、オイル経路が複雑なのと、オイル経路が細い為と思われます。 |
9 |
ノーマル・エンジンでは、オイル容量:2.5L、オイルクーラー:純正がベスト |
10 |
高圧縮比、ハイカム、キャブ変更、点火系強化の場合には、夏季の使用状況に応じて、オイル容量の増大、オイルクーラーの大型化を検討する価値がある。 |
- 油温、油圧、シリンダー温度、排気温度
まさか、これら全部のセンサーを左右のシリンダーにつけて走行するのも本末転倒で、場合によっては、センサー取り付け部からのオイル漏れ等が発生してしまったりします。
現在は、油温センサー(オイルパン)だけをつけて、その他の値は、油温から推測する様にしています。 左右シリンダーの差異は、アイドリングで左右のバランスのズレ(横揺れとか)、アイドリング〜アクセル少開度の左右のバランスのズレ(アクセル開け始めでのシングルだけの燃焼)とかで判定しています。
- アイドリングのエンジン回転数と油圧、冬季のアクセル開度
このページのデータを見ても、不必要にアイドリンク回転数を下げる(例:1,0000rpm以下)、あるいは、冬季に、エンジン始動、いきなり、エンジン全開(あるいは半開)が
いかに無謀な行為かは、おして知るべし
ちなみに、走行していない状態でのアイドリングでは、ミッション、ファイナル・ドライブ、サスペンションは動作していないので、それらの油温は
外気温と同等です。
- 油圧インジケータの動作範囲
0.2〜0.5 kg/cm2 以下で点灯
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