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PCV |  | 
	 ブローバイ、ブローバイ・ガス
 ピストンリングからクランクケースに吹き抜ける混合気の未燃焼ガス
 燃え残りの煤と気化した燃料が含まれるので、煤によるエンジンオイルの汚れ、燃料によるエンジンオイルの希釈、劣化を起こし、結果的には、シリンダーやピストンの摩耗を促進させる
 
 
 クランクケース内圧の設計値
 ウェットサンプ :-0.005kg/cm^2    以下の「負圧」
 ドライサンプ :-0.1kg/cm^2   程度の「負圧」
 
 
 クランク・ケースの負圧とキャビテーション
 ・クランクケースの負圧が低い場合
 キャビテーション(気泡が発生すること)が発生しやすくなり、極端な場合には、
 オイルポンプがエア噛みを起こして、オイルがエンジン各部に圧送されません
 (滅多に起こることではありません)
 
 ・クランクケースの負圧が高い場合
 通常、オイルの戻りは重力、負圧に頼っています。オイルの戻りが悪くなります
 
 注意:負圧の度合の違いによる問題です。
 
 
 エンジンの歴史とブローバイガス還元
 密閉型、オープンタイプ、シールドタイプ、クローズドタイプ
 
 
 密閉型  1900年〜 内燃機関登場時から
 第一次世界大戦後〜第2次世界大戦前のエンジンあたりです
 クランク室は密閉でブローバイガスの還元はありません
 クランク室の圧力は正圧(大気圧以上)になる場合もありました
 オイルシール、オイル注入口はこの高い圧力に対応できる形式になっており、
 注入口のフタはネジで締め付ける形式となっています
 この世代のエンジンでは、GearBoxはグリス封入の形式のものもあります
 
 
 オープンタイプ(大気開放) 1930年
 クランクケースにブリーザーが設置され、ホースで大気開放されていました。
 なお、4輪の場合にはブリーザーホースはヘッドに設置されているのが一般的です
 中間にオイルキャッチタンクをつけている場合もあります。吸気ダクト、あるいは、エアクリーナケースには接続されていないので、吸入負圧で、クランクケース内の圧力を下げることはできない
	。
 ブローバイは大気中に捨てられる 現在では車検は通らない(?)
 
 
 
  
 
 シールドタイプ(エアクリーナケースに還流) 1960年
 ヘッド、あるいは、グランク室からエアクリーナーBox、あるいは、吸気ダクト(サクションパイプ
	、吸気ダクト、インテークパイプ))戻している。但し、ワンウェイ・バルブなどは無い
 ブローバイは吸気に混ぜられて、再び燃焼室に送られる
 
 
 
  
 オイルセパレーターが設置されていない車種も有ります
 
 
 
 
  
 オイルセパレーターが設置されていない車種も有ります
 
 
 R100/R80・モノサス、R100R/R100GS  シールド・タイプ(吸気ダクト接続)
 
 
  
 エンジン前部のブリード・ホース取り出し口・直下には「棚状」のオイルセパレータが設置されています。
 
 エンジン後部のリードバルブ(reed-valve:PCVと同じくワンウェイ・バルブ)
	の「出口側」は極、小径の穴でクランクケースに戻される構造です。
 /5など古いモデルでは、エンジン前部のブリードは無く、後部のリードバルブの出口はエアクリーナー・シュラウドに戻されていました。(吸気ダクトでは無く、エアクリーナー・シュラウドです。)
 
 エンジン後部のリードバルブの動作は未調査
 2V-Boxerのクラクケース内圧の変化は2気筒では最も大きく、1,000cc単気筒と同じです。また、2系統+PCVバルブを使っている世代でもありません。 このリードバルブがどの様な動作をしているのかは不明です。
 
 http://bmwmotorcycletech.info/oilsketch.htm
 
 Snowbum氏のHPでも色々説明されていいますが、良くわかりません。
 参考:油圧は、1bar〜5barで制御されています。(油圧が5bar以上になった場合には、オイルフィルターのバイパス・バルブ、タイミングケース内のブリザー・バルブ:クランクシャフト・前部・メインベアリングの後:で減圧されます)
 
 
 
 排気バルブに導く方法、SACS、2次エア装置 Pulse-Air・システム
 初期のカリフォルニアの排ガス規制対策
 ブローバイを「新しい空気]と一緒に排気バルブ側に導入して燃焼させるもの、エンブレ時には盛大なアフターファイヤが出る。 (エキゾーストが完全に接続されていない状態と同じ)
 アクセル・。オフでは、エンジン・クランク室〜エアクリーナーBOX〜排気ポートと導かれている経路で、アクセルオフでは、キャブ側の負圧が無くなり、大量の新規エアが排気ポートに供給される為です。
 
 
 クローズドタイプ(PCVバルブを使用)
 現在の4輪、2輪のほとんど全て
 2系統のチューブがある
 オイルセパレータはPCVバルブ系統だけに搭載されてい4輪が多い
 (メイン・ブリーザ・ホースにはオイル・ミストが少ないから)
 
 注意:1960年以降の4輪、 2輪の場合には、その後長く、シールド・タイプだった
 
 ヘッド、あるいは、クランク室 --- PCV ------------------  吸気ダクト
 ヘッド、あるいは、クランク室 ---(バルブ類無し)--- エアクリーナー
 
 エンブレ時、アイドリング時には、インテークマニホールドの負圧によって、PCVバルブ〜吸気ダクト系統からブローバイ・ガスをブリードし、バルブ類無しの系統からはエアクリーナーから、新鮮な空気がクランク・ケースに供給されます。
 
 
  
 
 高回転時、一定回転時には、PCVバルブ系統は閉じて、バルブ類無しの系統からエアクリーナーにブリードされます。
 これは、ブローバイ・ガスの発生はアイドリング時に多い為です。
 
 
   
 注意:説明図では、取り出し口はクランクケースですが、現在は2系統ともに、ヘッドからの取り出しが一般的です。 ヘッドからの取り出しの場合には、棚状のオイル・セパレータがヘッドカバーのブリーザー・ホース取り出し口の下にあります。 OHC/DOHCでカムチェーン駆動の場合には、チェーン部の開口部が大きくクランクケースとエンジンヘッドの圧力差はありませんが、コグトベルト駆動(エンジン外部)の場合には、クランクとエンジンヘッドの連結穴を確保する必要があります
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