Big End
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  •  ビッグ・エンド・オイル・シールの取り外し、取り付け

    ビッグ・エンド・オイル・シールの取り外しまでの「その他の部位」の取り外し手順は、以下を参照してください。

     
    00 共通部分 シート
        タンク
        バッテリー(−)
        エア・クリーナー
        エンジン・トップ・カバー
    90 キャブレター 右のキャブ

    (*) サービス・マニュアルでは、左側からギアBOXと取り外す様になっていますが、
       右側からの方が簡単です。

    110 スイング・アーム  
    30 フライホイール ギア・BOX
        クラッチ
        フライホイール

     

  •  注意、「クランクを前方に押した場合の問題」

    ヘインズのサービス・マニュアル、あるはweb上のTipsではビッグエンドのメンテナンス時に、「クランクを前方に押す」と問題が発生すると書かれていますが、何が発生するのか?、どのぐらい押した場合に発生するのか?、修復方法はどうなのか? について、簡単に説明します。

     
    何が発生するのか? クランクケース内壁側のスラストワッシャーが脱落します。
    どのくらい押した場合に発生するのか? 約5mm(スラストワッシャーの厚み)
    何故、発生するのか? ワシャーは位置決めピンで保持されているだけ
    修復方法は? エンジンを全バラにして、クランク軸を取り出して、スラストワッシャを再セットします。

     クランク軸の後ろ側はプレーン・メタル・ベアリングでクランクケ−スに保持されていますが、クランク軸〜(*)〜クランクケース〜(*)オイルシールの2箇所、つまり、クランクケースの壁の「クランクケース内壁側」と、外壁側にはスラストワッシャーがセットされており、直径(ラジアル)方向の位置決めはこの2つのワッシャーを2本のピンで連結しています。  ピンは只、挿して意いるだけで、カシメ、溶接、接着などはされていません。
     もし、クランクを前方に押した場合(5mm程度)には、ワッシャーがクランク軸側にくっついて前方に移動すると、ピンから、スラストワッシャーが脱落していまいます。
     そのままでは、ワッシャがクランク軸に干渉した状態となります。 もし、この問題が発生した場合には、エンジンを全バラにして、クランクを前部から取り出して、スラストワッシャーを正しい位置にセットし直す必要があります。   

    なお、正常な位置関係としては、クランク軸の後端と、クランクケースのリップの高さは面一です。
     
       スラストワッシャー(厚みがあります) 
     位置関係
     オイルシールを取り外した状態

    http://bmwmotorcycletech.info/ から写真を借用





    http://personalpages.tds.net/~nsgreear/bikes/bmw/  から写真を借用


     

  •  必要部品

    クランク・リヤ・オイルシール
    フライホイール・アダプター・Oリング

     
    フライホイール・アダプターを取った状態 フライホイール・アダプター(内側にOリング)
    オイルシールが見える

    オイルシールのリップはフライホイール・アダプターの外周と接して、シールされます。 フライホイール・アダプター内側とクランク軸は「Oリング」でシールされます。

     

  •  必要工具

    シール・プーラー
    プレート 

    注意、オイルシール取り外し時にクランクを前方に押すと、「クランクを前方に押した場合の問題」が発生します。 どうせ使用しないので、「木ネジをリップ部にねじ込んで、プライヤー(2本)、あるいは、バー+針金で引っ張った方が安全です。
     

  •  必要治具

    クランクシャフトが前側に移動しない様にする為の冶具
    おかめのカバーの取り付けネジを使用して、ローターのスリップリングの面で移動を阻止する。
    ローターのスリップリングとボルトの間にはアルミ板か、鉄板を挟む
    バーは鉄板、あるいは、充分な厚みのある(力が加わっても曲がらない)アルミ板  
    厚み15mm以上、幅20mm以上
    ローターのネジを押すネジはできるだけ太い方が望ましい



    もっと簡易的な冶具を使用しているユーザーもいます
    1、ローターのスリップリングの頭にボルトを取り付けて、左右のエンジンバンパーに針金で固定
    2、ローターのスリップリングに頭にジュラコンの棒を差し込んで、オカメのフタをする
      (フタでジュラコンを押さえる)




    オイルシ−ル取り付け用冶具
    フライホイール取り付け用冶具



    http://bmwmotorcycletech.info/ から写真を借用


    2つあるのは、オイルシール用、フライホイール・アダプタ用です。

    オイルシール用:Φ100mm
    フライホイール・アダプター用:Φ???mm
    推奨材質:鉄、あるいは、充分な厚みのあるアルミ板(15mm以上)


  •  注意/オイルシール

    前夜の準備/オイル浸け オイルシール、Oリングをオイルに浸して、馴染ませます。 クランク・リヤ・オイルシールのオイル浸けは必須です。 これを実施しないと、オイルシールが打ち込めません。

    注意:R100R/R100GS系のオイルシールでは、材質が違うのでのオイルの漬け込みは不要です。但し、打ち込み時には、オイルを塗布します。 特に側面にはまんべんなくオイルを塗布します。


     

  •  分解手順/オイルシール

    治具のセット クラッチハウジングの平面にプレートを渡して、位置決めするため、フライホイールボルトを軽く締めます。
    シールプーラーで、オイルシールを抜きます。
    この時に、プレートが曲がって、クランクを押していないことを確認します。
    フライホイール・アダプターの取り外し

     

    手で引き抜きます
    外周、内周に傷がないことを確認します
    クランク側も外周部にキズがないことを確認します
    オイルシールを挿入する面もチェックします。キズ等がある場合には、紙ヤスリ等で修正します。
    この時には、クランク側には、ゴミが入らない様に、ウエス等で養生をしておき、作業終了後、ふき取ります。
    パーツ・クリーナーを使う時には、エンジン内にゴミが入らない様にします。


  •  オイルシールの打ち込み、フライホイールの取り付け

    オイルシール打ち込み 幅の広い金属を当てて、オイルシールを打ち込みます。
    オイルシール面と、ケースの面が、面一になるはずです。 
    正規の位置まで打ち込めれば、音が変わります。
    フライホイール/アダプターの取り付け フライホイールアダプター内側のオイルシールを交換して、オイルを外周、内周に塗布してから手で挿入します。
    分解時と同じ様にクラッチのネジを仮り止めして、 クラッチ・ハウジングを利用して回り止めとして、組み付けます。 ここは、10Nmと高トルクです。


    オイルシールの打ち込みは、クランクを前方に押す可能性があるので、上記にサイトに記載されている様は冶具(オイルシールの外径+αのプレートにクランク軸の5つのネジ穴に対応したバカ穴を開ける)を作成して、クランク軸後端のネジ穴を利用して、プレートをねじ込んで、オイルシールを取り付けることをお勧めします。

     

 


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