Tappet Adjust
Home | Up | Next


  •  調整の準備

     今まで、整備がされていない車両の場合には、以下の<調整の手順:3a>を必ず実施しましょう。
    4本のスタッドボルトはクランクケースまで貫通していますが、クランクケース側は貫通ボルトであり、ネジ山は、4山〜6山しかありません。 スタッドボルトの締め付け時に、ねじ山、座面が平滑でなければ、クランクケース側のネジ山に余計なトルクがかかり、ネジ山が壊れ、リコイルとなります。

     
  •  調整の手順

    おおまかな手順は、
     
    1 プラグ、タペットカバーを外して、スラスト・クリアランスとタペット・クリアランスを測定します
    2 メモします。(注意-1)
    3 スタッドボルト(6本)を緩めます。
    3a 4本のスタッドボルトの座面、ネジ山のチェック、清掃
    4 3回に分けて、規定の手順で締めます。
    5 スラスト・クリアランスを測定。 (注意-1)
    6 スラスト・クリアランスが規定値外であれば、シムで調整
    7 当然ですが、シム調整を実施した場合には、スタッドの締め付けを実施
    8 タペット・クリアランスを測定
    9 規定値を外れているタペット・クリアランスを調整します
    10 調整後、再度、タペット・クリアランスを確認します。(注意-2)


     

    注意
    1 今後の調整頻度、あるは、カーボンの噛み込みなどのチェックの為に、
    必ず、走行距離、日時、温度、調整前の値、調整後の値をメモしておきましょう。
    2 調整が終了したら、 必ず、もう一度、タペットのチェックをします。  
    面倒がらずに、必ず、実施しましょう。


    タペットのボルトの締め付けトルクは、20Nmです。 1/4インチの60mm長の柄のソケットレンチを使用することを推奨します。  長い柄のレンチを使用すると、過大なトルクをかけて、ネジをなめる可能性が高いです。



  •  準備



     
    1 5速に入れる
    2 メインスタンドをかける
    3 プラグ周りを掃除して、プラグを外す
    4 プラグ穴に「キムワイプ」等で蓋をしておく。 (プラグの上のナットからのゴミ避け)
    5 トレイをヘッドの下において、タペット・カバーを外す
    6 タイミング窓のゴムの蓋をはずします。(エンジン・オイルの注入口の右側)



  •  スラスト・クリアランスの測定
     
    1 ロッカーシャフトの一番上で、ギャップを測定します。 測定値をメモします。
    2 もし、規定値以上、あるいは、以下の場合には、シムで調整します。 
    間違っても、ロッカー・タワーを叩いて、ギャップを調整してはいけません。
    (/5シリーズ等の古いモデルでは、叩きます)


  •  タペット・クリアランスの測定



             
                        Fig.-1


     
    1 リヤタイヤを回して、「OT」マークを出します。
    2 どこかのタペットが、フリーになっています。 
    シックネスゲージ:0.1mmを差し込んで、確認します。
    クリアランスを測定して、メモします。
    3 リヤタイヤを回して、次のタペットを測定します。
    もし、(1)で、Bの場合には、C-->@-->A-->Bと、測定します。
    4 スタッド・ボルトの締め付け
    5 6本のスタッド・ボルトを対角線の順番で、緩めます。 (1回転ぐらい)
                     E
          @     C
          
          B     A
             D                     締め付けの順序
    6 15Nmで、対角線の順番で締めます。
    7 25Nmで、対角線の順番で締めます。
    8 35Nmで、対角線の順番で締めます。   (*)

    クランク・ルームまで貫通してしているスタッド・ボルトは、締めこんでも、締まりきった(これ以上は締まらないという感じ)感じは無いです。 トルクレンチを必ず、使用します。
     

  •  タペット・クリアランスの再測定
     
    1 タペット・クリアランスを測定します。 (例: 左シリンダーのINT:B、EXT:@) 
    2 Fig.-1 のどのタペットから開始かは、その時のエンジンのクランク位置で異なります。 
    タイヤを回して「OT」を出す時に、どのタペットが動いているかを確認します。
    (どこがフリーかを確認します)
    3 規定値からずれていたら、ロッカー・アジャスト・ボルトを緩めて、調整します。


  •  タペット調整

     
    1 ロッカー・アジャスト・ボルトを緩めて、シックネスゲージ:0.20 をセットして、
       ロッカーの調整をして、アジャスト・ボルトを「手で締めます」
    2 12mm:モンキー・スパナ、 12mm:メガネ・レンチを使用して締めます。:20Nm
    この時には、モンキーで、ロッカーを固定して、メガネ・レンチで締めます。
    全長:90mmの「1/4インチのソケット・レンチ」で締めています。
    (1/4のトルクレンチは持っていないので)
    3 クリアランスを再測定します。


  •  タペット・クリアランスの再測定

    スタッド・ボルトを締めて、4箇所のタペットを測定/調整が終了したら、再度、測定します。
    ゆっくりと、やりましょう。 


  •  タペット・カバーの装着
     
    1 ガスケットは、 タペットカバーを2回ぐらい、開けたら、交換しましょう
    2 カバーとヘッドの合わせ面は、パーツ・クリーナーで脱脂します
    3 ネジ部にはグリスを付けて、取り付けます
    4 中心のネジ:20Nm、 両側のネジ:10Nm

    補足:
    新品のガスケットでは、中心のネジの締め付けでは、 20Nmがかかるまで、手答えがありません。
    これは、新品のガスケットの変形の為です。 逆にいえば、手答えがある場合には、ガスケットが劣化しているので、交換を推奨します。


  •  プラグの装着

     
    1 点火プラグを装着します。 せっかくですから、新品にします。
    2 ネジ部には耐熱グリスを、それ以外の金属、碍子部分では、シリコン・グリスを塗ります
    3 ついでに、 プラグ・コードの綺麗にします。 
    この時には、イグニッション・コイル側には力がかからない様にします。
    (コイル側の端子が外れない様に)


  •  タペットカバー

    私の車両は、両側のネジは、ヘッド側にネジを切って、6mmΦのキャップボルトで締めています。
    タペット・カバーには、穴が開いているだけです。 指が太い方にはとっても便利です。  
 

Home | Up | Next

                                    This Home Page is create by Microsoft FrontPage 2000
                     Authorized by wanawana Update at 2011/08/30