Failure Analysis
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  •  スプリング、ベアリングの壊れる原因

    以下の記述は、いずれも未検証であり、考察の一端として記述しています。 つまり、下記の項目が原因の全てと判明しているわけではありませんし、車体によっては、下記のいずれかの原因で故障したものかもしれませんが、普遍的なものであると反面しているわけではありあません。

     
  •  GearBoxのスプリング破損の原因として考えられる項目

    1、潤滑不足

     中間軸の1速ギア、2速ギアによる飛沫潤滑だが、渋滞中(ニュートラルで、アイドリング回転数)の場合には、オイル飛沫がプレートまで届かず、スプリングが過熱する。(大きなスプリングはオイルに浸っているので問題とはならないと思われる)

    GearBoxの油温

     
    項目 測定箇所 温度 測定器
    エンジン・油温 オイルパン 70℃ Yoshimura・温度計、センサー
    GearBox・油温度 注入口 60℃ てんぷら用温度計
    GearBox・シフトプレート温度   60℃ てんぷら用温度計
    気温(外気温)   10℃ 寒暖計

    車体情報:
    走行:2時間後、最後は約20分のノロノロ渋滞後、約5分空いている道を走行
    エンジン・オイルパン・油温:70℃ 
    GearBox・油温:60℃
    シフトカム・プレート・温度:60℃
    車体:R100R、火鉢無し、Motobins-Y管、
    エンジンイル:SUNOCO REDFOX 15W-50:3.5L
    GearBoxオイル:SUNOCO 75W-120 規定量(オイル注入口の下縁)

    渋滞走行後、約5分の走行があるので、GearBoxの温度は渋滞中からは低下していると思われる
    GearBox下のサブ・チャンバーは撤去しているので、純正の排気系に比べると、GearBoxの温度は低いと思われる。

    使用測定器の仕様:
        


    未測定:夏場、外気温:30℃、エンジン油温:120℃程度の渋滞路での、GearBoxの温度

    不明点:GearBox・油温が120℃となったとして、スプリングの温度は?
       :スプリングは120℃近辺で特性が劣化するものであろうか?


    2、隙間が2巻半しかない(YBITOHさんの指摘)
      
     できれば、3巻き分の隙間(」バネ装着部分の軸の幅)があれば、バネが動作しても、バネ同士が無理に擦れ合わことは無い。

    3、その他?

     そもそも製造不良とか。


     

  •  ベアリング破損の原因として考えられる項目

    1、工場でインストールされたシムが不適切で、ベアリングにスラスト方向の力がかかる。

    2、R100GS系では、スイングアームの垂れ角が大きい場合には、U字ジィントの顎同士が接触し、2次的に壊れる。
      
       アウトプットシャフトのクラッチ側にベアリングにテコの原理で無理な力が加わり、壊れる。

    3、サークリップ付き、サークリップ無しのシャフトが存在し、サークリップ無し

     サープリップつき、サークリップ無しのシャフトの詳細については、別のページを参照してください。サークリップは付いているが、リングが無く、サークリップが機能していないシャフト (ベアリング・インナーレースとサークリックの間に隙間が存在する)もある様です。
     また、部品番号(3)は、図面には記載さていますが、部品番号は提示されていません。 また、工作精度によっては、リング(3)はセットできない場合もあるかも知れません。

    この項目は http://bmwmotorcycletech.info/ を参考にさせていただいています。

     
  •  アウトプットシャフトのサークリップと故障について

    記載されているweb:http://bmwmotorcycletech.info/    オリジナルはMOA、このwebのBBS、などの様です。

    以下の様な議論もある様です。 私は、???と思う所もありますが、メモとしてまとめてみました。 以下は議論の要旨であり、私は、故障理由、対策共の納得できるものではありませんので、記載するに留めます。 

    議論の要旨は、5速ギアはヘリカル・ギアなので、トルク変動は少なく、ギア当たりは静かだが、スラスト方向(軸方向)にトルクがかかるので、 クラッチ側ベアリング・インアーレースは常にクラッチ側に力がかかっている。 クラッチ側ケースのベアリング受け部がゆるいと、ベアリングに擂り粉木状態の力が加わり、圧入されたベアリング・インナーがクラッチ側に移動してしまい、結果として、ベアリングにスラスト方向に力がかかるので、ベアリング故障となる。



     
  •  ??? と思う理由(1)

    分解した4台のGearBoxは、いずれも、サークリップ無しでしたが、アウトプットシャフトのベアリングが崩壊したGearBoxも含めて、シャフトの突き出し量(約2.4mm)が、少なくなっている個体は無かった。 あるwebサイトでは、2.0mm以下はダメ的な記載もあったが、4台という少ないサンプリング数ではあるが、ベアリング・インナーが動いた形跡は無かった。

     
  •  ??? と思う理由(2)

    一次軸・ギア:ヘリカル・ギアで、軸に固定されています。 中間軸・5速ギア:ヘリカルギア、軸に固定されています。 アウトプット軸・5速ギア:ヘリカルギア、軸とはフリー になっています。 5速時には隣の4速(軸と固定)とドックによって接続されて、5速状態となる。 5速以外では、アウトプット軸の5速ギアはフリーとなっており、回転はしているが、軸に対してフリーである。 従って、アウトプット軸のクラッチ側ベアリング・インナーレースに「常に」クラッチ側へのトルクがかかっているわけではない。
     
     トルクの問題なら、中間ギアのカバー側ベアリング・インナーーレスにもカバー側方向へのトルクがかかっていることになり、かつ、5速ギアは軸に固定されているので、こちらのベアリングが先の故障するのではないでしょうか?
     
  •  ??? と思う理由(3)

    以下に記述する、R100GS/R80GSの故障モードについては見解が提示されていない。

    R100GS(特に、最終型のR80Basic)では、アウトプットシャフト・クラッチ側・ベアリングのお不良率は他のモデルより高い。 多くの場合には、スイングアームの垂れ角がキツク、脚の長いサスペンションの取り付け、メインスタンド状態でのエンジン始動+1速等でタイヤを回した場合には、プロペラシャフトのGearBox側のU字ジョイント部で「顎」が接触した形跡の車両が多々ある。

    なお、海外のサイトでプロペラシャフト、GearBoxの故障率を調査したサイト(URLを忘れてしましました)では、R100GS/R80GS系の故障率が高く、
     
  •  ??? と思う理由(4)

    ベアリングにスラスト方向にトルクがかかる要因としては、工場でインストールしている「シム」の厚みの問題の方が大きいと尾も荒れます。 3台のGearBoxは修理の形跡が無いものでしたが、使用されているシムの厚みはいずれも同じものでした(3台のGearBoxで、各々のシャフトに使用しているシムが同じ、1台のGearBox内の3つのシャフトでは、シムは違う)。しかしながら、部品交換後のシムは違ったものとなりました。 これは、ロッカーシャフトのシムも同じであり、工場では、1台1台ずつ測定して、シムをセットしているわけではなく、同じ厚さのシムをセットしていると思われます。

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