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- 中古車両購入時の注意
R100/R80系の車両は最も新しいモデル(R100GS/R100R Mystic)でも1997年に製造が終了しています。 完調な車両を購入するのは困難です。
従って、購入後、自分でメンテする箇所と、重整備が必要な箇所を分けて考えて、重整備が不要な車両を購入することをお奨めします。
重整備で金額が嵩むのは、
(1) ミッション内部の故障(内部のシフトレバーの折れ、ベアリングの破損) 工賃が高い (*) (2) クラッチの交換 工賃高い (自分で交換するなら 部品代は ¥20,000-ぐらい)
(**) (3) エンジンのバルブ関係(ヘッドのO/Hは、¥100,000-
以上が必要となります) (4) ドライブ・シャフトの破損、あるいはミッションのベアリングの破損 (部品代だけでも、¥50,000-ぐらいが必要です) (5) フロントフォークの交換 (新品交換では、膨大な金額が) (6) 事故車両
(*) 自分で交換するなら部品代は¥20,000-程度、特殊工具が必要
(**) 自分で交換するなら部品代は¥20,000-程度、センター合わせ工具(¥1,000-程度)が必要
- チェック方法はおおよそ以下のとおりです。
- ミッション
ミッションの後ろ側カバーのボルトで開けた跡はないか?
開けた跡がある場合には、何らかの故障が発生した可能性ありです。 後は、乗ってみるしかないです。 現在のオートバイの様に「カチッ」としたフィーリングではなく、深くシフトレバーを踏み込む必要があります。
しかしながら、足に力を入れてシフトする必要はありません。
不良の症状としては、2速〜3速のシフトで「ゴリゴリ」とした感触があるとかの症状があります。
ベアリングが完全にダメになる直前の車両では押し歩きをすると、「グラングラン」といった抵抗があります。
- クラッチ
クラッチが滑っていれば、空いている所で、高いギヤで上の回転(6000rpmとか)まで、加速すればわかります。
クラッチ関連のもう一つの不具合はGearBoxのインプットスプラインのグリス切れです。渋滞等で温度が上昇した場合に、クラッチの切れが変化する場合には、GearBox取り外し、スプラインのグリスアップが必要であると思います。購入前に処理してもらうか、違う車両を探しましょう。
- エンジンのバルブ関係
バルブガイドの材質が柔らかく、かつ、バルブ・ステムのオイルシールが無いので、バルブガイドにガタがあるとオイル下がりが発生します。
エンジンを始動しての排気の色のチェック。 試乗時にサイドスタンドを使用して10分程度駐車してから、始動後の排気の色のチェック。
サイドスタンドを使用すると、左のシリンダーヘッドのバルブステムからのオイル下がりが発生しますが、
O/Hの必要の無いヘッドの場合には、排気の色が変わるほどのオイル下がりは無いです。この状態で、白煙が出る様なら、O/Hが必要な時期が近いと思います。 試乗時には信号の停止とか、途中の休憩とかで、マメにチェックしてみてください。
仮に保管時にサイドスタンドで駐車していたとしても、10分ほどの試乗で排気の色は消えます。これ以降もつくとか、試乗の最初ではついていなかったのが、試乗途中から
出る車両は購入を控えましょう。
- ドライブシャフトの破損、あるいはミッションのベアリングの損傷
ドライブシャフトの前側のユニバーサルジョイントがシャフトの側面に接触しての損傷。 あるいは、ミッションのベアリングの損傷
ドライブシャフトのウニバーサル・ジョイントの不具合はメインスタンドを立てて、ニュートラルで、リヤタイヤを回せば、判ります。ユニバーサル・ジョイント、あるいは、ファイナル・ドライブ
に問題がある場合には、所々で、「コツ」「コツ」とした手応えがあります。
この手応えは、ミッションのベアリングに問題がある場合にも発生します。 ユニバーサルジョイントの問題がクラッチのベアリングの問題かの判別は困難な場合がありますが、いずれにしても、購入前に対処してもらうか、他の車両を探しましょう。
オフを走ったR100GS/R80GSでは、ドライブ・シャフトの交換は必須と考えた方が良いと思います。 ジャンプとか、メインスタンドでのミッションが入った状態でのエンジン空ぶかしでは、前側のユニバーサル・ジョイントがシャフトの側面と接触している場合が多々あります
。
- フロントフォーク
モノサスのR100/R80では、インナーチューブのスライドメタルはありません。インナーチューブがアウターチューブに全あたりしています。 従って、オイルの交換をしていないもの、水分の混入した車両では、アウターの内部が平滑でないとか、サビがあるとか、磨耗しているとかの問題がある場合があります。
残念ながら、新品は高いです。 ヤフオクにも出品されていますが、程度は不明です。 K100系のフロントフォークを換装する手もありますが、ステアリングステムも交換する必要があり、すんなりと行くものではありません。
停止時にフルストロークをさせて、戻りの時に引っかかりが無いかどうかのチェックをしましょう。
R100R系の場合には、フォークの直径がφ41mmです。R100RよりK100のフォークの径が細いので流用できません。 ステムも移植するとかの方法を取る必要がありますが、オフセットも違います。 YAMAHA/XJ400とかの国産車のフォーク、ホイールを移植する方が早いかもしれません。
R100/R80の場合には、トップ・ブリッジの固定方法が、トップキャップでの固定という方法なので、K100のステムも移植するか、トップブリッジを換装して、かつ、ボーリングする必要があります。
- 事故車両
いわずものがなです。 一般的なチェック方法でのチェックです。
ステムの溶接部のクラック、皺は無いか? 再塗装されていないか?
(カスタム車両でないのに再塗装されている車両は、事故車と疑って良いと思います。)
- 外観チェック、スチーム洗車
クランクルームの梨地の汚れとか、ロッカーチューブ根元のオイル漏れはスチーム洗車をすれば、あっと 言う間に綺麗になります。ついでに
足回りのベアリングも綺麗に脱脂できます(キッパリ)
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スイングアームの根元のベアリング部に脂分が無い車両の購入は絶対に止めましょう。 ホイール・ベアリング、ミッション・アームのベアリング、スイングアームのベアリングを分解して、グリスを詰めることになります
(とっても面倒くさいです)。
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